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小金井書房ブログ

平安、孤独、楽しさ、をテーマに

タモリと所ジョージが今人気の理由「第2回 なぜ人から好かれるのか」

タモリ、所ジョージ

 

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タモリ氏と所ジョージ氏がなぜ今ますます人気なのか。その理由にせまる第2回目。今回のテーマは、「なぜ二人は人から好かれるのか」。

 

なぜ二人は必要とされているのか

タモリ氏と所ジョージ氏に共通しているのは、雰囲気が穏やかであるところです。

これはお笑いの世界に生きている人間としてはかなり珍しいことであるように思います。

なぜなら笑いの世界は競争が熾烈で、通常は大御所の芸人ですら毎回面白いことを言おうとする緊張感がどこかに漂っているものだからです。

そんな中で、二人は力が抜けていて限りなく自然体に見えます。それだけをとって見てもまず普通ではありません。

 

さて、今日本はとても厳しい時代にあります。

貧困世帯が増え、大規模な災害が頻繁に起こり、精神的病を抱えている人もとても多いです。現代の日本で貧困が増加するなんて、少し前には考えにくかったことです。

数十年前のように、これをしていれば安心というような普遍的で確固としたものがなく、先が見えず、何が普通であるのかもわからない混迷の中で誰もが生活しているような状況です。

そんな時代に求められるのは、強い刺激ではありません。

刺激は現実というホラー作品だけでもう沢山なのです。テレビでも鋭く激しい笑いは必要ありません。

そういった笑いが好きな人ももちろんいるでしょうが、それよりも今は我々の苦しみを癒してくれるような穏やかな笑いの方が需要があるように思います。

いや、もはや私たちが求めているのは笑いですらなくて、ただ漠然とした安らぎや安心感のようなものなのかもしれません。

 

 今タモリ氏と所氏の人気が高いのは、そういう時代背景と関係があるように思います。特にタモリ氏はそれを求められていると感じます。(他にも蛭子能収氏などが似たようなものを求められています)

日常に疲れている時。不安な気持ちでいる時。『ブラタモリ』や『タモリ倶楽部』など、ふと付けたテレビでタモリ氏が出演している番組を見るとなんだかホッとします。

タモリ氏の番組には激しい笑いも盛り上がりもありません。

しかし、殺伐とした心を癒し、つかの間穏やかな気持ちにさせてくれるのです。

 

気配りの人

タモリ氏も所氏も表向きは飄々としていますが、実は気配り上手でやさしい人という側面があるようです。

SMAPの草彅氏が「笑っていいとも」の後説の後でタモリ氏の楽屋を訪れ、「僕、しゃべれなかったんですけど大丈夫でしたか?」と言った際には、「別にいいよ。そんなの気にすることでもないから。流れがあるから、それはそれでいいよ」と答えています。

また、タモリ氏はキングコング西野氏が仕事に行き詰っていた時に、絵本を書くことを勧めています。(戸部田誠 著『タモリ学』より)

所氏は一見言葉が粗野なところもあるので誤解されやすいようですが、あれは照れ隠しのようなものなのではないかと思います。                                                           

実際、以前所氏と対談したいと希望してきた大学の先生とのテレビ番組で、所氏が芸能人ではない一般の相手に対してもすごく気を遣って話を聞いたりもてなしている姿が印象的でした。

このように、二人とも相当な気配りの人であり、芸能人として大御所ではあるものの、人に上下関係を強いたり緊張を抱かせるようなところがありません。

だから居心地がよくて周りに人が集まりますし、人としても仕事人としても偉大なので、全く偉そうにしていないのに自然と大勢の人から尊敬されています。

 

人との付き合い方

そのようにタモリ氏も所氏も大きな人望があるものの、人付き合いに関しては吉本興業の大物芸人たちのように自分を中心とした集団を作ったり、特定の後輩としょっちゅうつるんだりなどはしないようです。

所氏は仕事が終わると飲み会などにはあまり参加せず、自宅で食事をするようにしているのだそう。

私が興味深いと思うのは、所氏と北野武氏の付き合いです。

北野氏は所氏の仕事場兼遊び場である「世田谷ベース」や自宅に頻繁に訪れているそうです。

二人は一緒に雑誌を作ったりと何かと仲が良いです。北野氏のように鋭く孤高な雰囲気を放つ人がそこまで入れ込むというのは、何か強い安らぎや魅力を感じているのではないかと想像します。

 

所氏は人とベタベタした付き合いはしないようですが、その一方で他者との調和はとても重んじています。

雑誌『所ジョージの世田谷ベース』では自身の仕事について、「テレビは大人の社会であり、プロデューサーやスポンサーや色々な人がいる。その人たちと調和できなかったら成り立たない」と発言。

また、若い頃から芸能界の人に対してお中元やお歳暮を欠かさず送っていたと、本人の著書か何かで読んだことがあります。

お中元なんて現代の価値観では旧時代のものとして馬鹿にされかねない風習ですが、見た目と裏腹に人を大切にしている所氏らしいエピソードだなと思った記憶があります。

 

仕事において人との関係というのは、ある意味実力だとかコンテンツ以上に重要になることがあるもの。嫌な奴、めんどくさい人間とは誰も仕事をしたくありません。

所氏は能力があるだけではなく、他者を敬い人との調和を大切にしてきた。

だからこそ今の成功があるのでしょう。

またタモリ氏も、「今まで新しい仕事を始める時は、必ず誰かが『これやってみないか?』と声をかけてきて、自分はただそれに乗っかってきただけ」と発言しています。

二人とも、人との関わりが仕事や人生に大きな影響を与えてきたというのがとても興味深いです。

 

長寿番組の理由

タモリ氏も所氏も、テレビで20年以上続いている長寿のレギュラー番組を複数持っています。

これは驚異的なことですが、偶然ではないと思います。

その理由の一つとして、両氏が番組スタッフから好かれているから、という話をよく目にします。たしかに一緒に仕事をする側からすれば、大御所なのに偉そうにせず気配りまでしてくれる最高の仕事相手でしょう。

番組が長く続く大きな理由の一つには、やはり番組スタッフや関係者との良好な関係を築いているということがあるのではないかと思います。

しかしもちろん、一番の客である視聴者に嫌われていたらこんなに長く番組が続くはずはありません。

我々視聴者にも一緒に仕事をする人たちにも、多くの人に好まれてきた二人だからこそ成しえた偉業ではないでしょうか。