小金井書房ブログ

孤独、哀愁、静けさ

SNSの強いストレスと対処法 「第2回 SNS疲れしないための方法」

 

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 目次

 

 

SNSのストレス対策、対処法

 第1回で見てきたように、どんな立場の人もストレスを抱えやすい仕組みになっているのがSNSというものですから、私たちがそれらすべてのストレスを回避するのは至難の業であるように思います。

ですから、そもそもSNSに手を出すならば多少のストレスは覚悟が必要であると言えるのかもしれません。

 とはいえ、ストレスが強過ぎて、楽しさよりも苦しさの方が上回ってしまったら、いったい何のために利用しているのかわからなくなってしまいます。

そんな事態に陥らないために、SNSを長く楽しんでいくために私も実践しているいくつかの方法を、第2回の今回では提案させていただきたいと思います。

 

 

(無理をしない)

 まず、一言でいうならばこれ。

 人に嫌われたくない、つながっていたいからといってSNS上で無理して人に気を遣い過ぎたり義務感でやったりしていると、楽しくなくなってしまいます。

不自然なことというのは、やはり長くは続きません。無理を続けてストレスが溜まっていけば、やがてどこかでパンクする時が来ます。

 そんな事態にならないように、強いストレスを感じるようになったら無理するのはやめて、一度SNSから離れてみることをおすすめします。

SNSなんて仕事じゃないんですし、基本は楽しむためにあるものなのですから、そこでストレスを溜めるというのは本末転倒です。気楽にまいりましょう。

 

(人から嫌われる勇気をもつ)

 それでは、なぜ私たちが現実だけでなくSNSでも時に疲れるほどまで他者に気を遣ってしまうのかというと、それは自分が他の人に嫌われたくない、承認して欲しいから、なのではないでしょうか。

「人から嫌われたくないという気持ちが、人間の最大の弱点」という言葉を、以前どこかで目にしたことがあります。

その言葉は、『嫌われる勇気』というタイトルの本が世間であれだけ売れたことを考えても当たっているのではないでしょうか。

 ですから、リアルでもSNSでも人に嫌われることは私たちにとって強烈なストレスとなるわけですが、逆に言えば人から嫌われることを気にしないでいられれば、そういった苦しみはなくなるということでもあります。

 といっても、それが簡単にできないから苦労するわけですが、ポイントは「自意識」にあります。

私たちが「自分が人からどう見られているか」「好かれているか、嫌われているか」を気にするのは全てこの「自意識」のせいであり、「自意識過剰」な心が苦しみの原因となっているのです。

そして「自意識過剰」とは、実は「プライドが高過ぎる」ということでもあります。

ですから、自意識や自我を薄めて、妙なプライドを低めてしまえば、人から嫌われることもさほど気にならなくなるというわけなのです。

 

(人間関係は腹六分がいい)

 俳優、演出家の美輪明宏さんの言葉で、「人との関係は腹六分くらいが丁度いい」というものがあります。

人と長く良い関係を続けていくためには、お腹一杯、腹十分で付き合うのではなく、基本はあまり深く関わり過ぎない、ベタベタし過ぎないのがいい、といったことを意味する言葉です。

 第1回でも述べたように、SNSで最初から高いテンションで人と関わり過ぎると、お互いに対する期待のハードルを上げてしまうことになります。

最初はそうやってお互いに高いテンションで関わり合っていたのが、やがてその関わる頻度が少なくなってくると、「なんだ、私のこと嫌いになったのか」と、相手に対して悪い印象を持つようになってしまうのです。本当は、初期の頃のテンションが異常だっただけですのに。

 ですから美輪さんの言葉のように、SNSに限らず人と長く良い関係を続けていくためには、最初から密接に関わろうとするのではなくて、腹六分ぐらいの関係を維持していくというのが、お互いに良い意味での気遣いも生まれますし、具合がいいということになるのです。

 

(期待しない、承認を求めない)

 人は何かを期待していてそれが実現しない時、ショックを受けます。

SNSでは自分の言葉や画像を投稿した後、多くの人が心の内ではそれらに対する反応があることを期待しているのではないかと思います。ところが、期待しているのに反応がないと、それはストレスになります。

ですから、SNSでは自分の投稿に対する他人の反応にあまり期待しない、他者の承認を求めないということが一つの処世術となります。

SNSをやっている以上、誰でも承認欲求は多少はあると思いますので、それを完全に無くすというのは現実的ではありませんが、ストレスを抱えないためには承認欲求は減らしたほうが賢明です。

 そもそも前回も言ったように、SNSで他人から送ってもらえる「いいね」なんて、その多くはこちらが相手に送った「いいね」のお返しとして相手が義務的に送ってくれる程度のもの。こちらが送らなくなれば自然と相手からも送られなくなる、まやかしの承認に過ぎません。

そんな他者からの実態のない評価に一喜一憂するのはやめて、あまり期待せず、飄々と行きたいものです。

 

(攻撃的な人、困った人はスルーで対処)

 ネット上には攻撃的な人が沢山います。Twitterでは、毎日のように誰かと誰かが言い争いをしているのを見かけます。

ですから、SNSを利用していればみなさんも人から攻撃的な言葉を受け取ることがあるかもしれません。また、変な人にしつこくつきまとわれたりする可能性もあります。

 そんな時、一番してはいけないことは、そういった相手に対して反論したり反応すること。

どうしてかというと、その人たちは自分の行為があなたに影響を与えているのを見て刺激という快感を得ているからです。つまり、反論したり反応することは、その人たちが一番喜ぶことをしていることになってしまうのです。

ネット上でそういった人たちに絡まれたら一切反応せず、スルーまたはブロックで対処するのが有効です。すると、相手は「ブロックして逃げやがったw」というようなことを言うかもしれません。そうなればあなたの勝ちです。

なぜなら、「ブロックして逃げやがった」というのは「畜生、もうこいつには影響を与えることができない」という負け惜しみだからです。

 相手の反応を見て快感を得る困った人たちに対して一番ダメージを与えるのが、スルー、無視するという手段なのです。

 

(スマホから距離を置く)

 前回触れたように、スマートフォン利用者の実に90%以上がSNSを利用しているそうですから、スマートフォンとSNSには深いつながりがあります。

スマホの問題は、手元にあるとすぐにチェックできてしまうこと。手軽だからついつい見てしまうというわけです。

 SNSには強い依存性、中毒性があります。スマホが手元にあっていつでもすぐにSNSにアクセスできれば、ちょっとした時間につい見てしまうという癖がついてしまいます。

しかし、第1回で見てきたように、SNSはストレスの要因となるものが多いものですから、頻繁に利用するのはストレスを溜める機会を自分で増やしているようなもの。

 SNSのストレスから離れるためには、SNSを頻繁に利用しないことです。そのために、スマホを手元に置かないようにしたり、手軽にアクセスできないように工夫をして、意識的にSNSと距離を置くようにするのがおすすめです。

 ちなみに私はSNSを主にパソコンから利用しているのですが、パソコンはいちいち起動するのが億劫ですので、自然とSNSの利用頻度はスマホからの利用に比べて少なくなります。

 

(SNSを休む、やめる)

 「無理をしない」の項でも言いましたが、あまりにストレスや苦しみを感じるのならば、しばらくSNSをお休みするのがいいと思います。

例えば、1ヶ月くらい離れてみるのもいいかもしれません。Twitterで1ヵ月もツイートをしないとフォローを解除してくるフォロワーもいるでしょうが、そもそもそのような人とはその程度のつながりでしかなかったということですから、放っておけばいいのです。むしろ、そうしてSNSから離れる時期は、本当に大事な人を見極めるいい機会にもなります。

 そして、いったん利用を止めてしまって様子を見ます。しばらく休んでみて、また自然とやりたくなるのであればやればいいですし、ストレスを感じるようならばそのままやらないでいればいいと思います。

 それから、いざという時は、SNSをやめてしまうという選択肢もあります。

苦しんだりストレスを溜めるくらいなら、そんなものとはさっさとおさらばして、もっと他に楽しいことを見つけた方がいいでしょう。

楽しさを求めてSNSを利用しているのに、苦しみを我慢してまで続けるなんて馬鹿馬鹿しいことです。

 

 

まとめ

 第2回をまとめると、SNSを長く楽しく続けていくためには、無理なことはせず、あまり期待せず、気を遣い過ぎず、他者とはほどほどな距離感でやっていくのがいいということになります。これはSNSに限らず、他の人間関係でも言えることかもしれません。

 大事なことは、自分の内側の自然な感情に耳を傾け、それに従うということ。無理をしたり気を遣い過ぎたりするのは自分にとって不自然なことですので、必ず苦しみやストレスを生みます。

 何か不自然なことをしていないか、無理をしていないかと自分をチェックしてみて、もしSNSに疲れているな、何だか最近楽しめなくなっているなと感じたら、自然に休んだり、あるいは自然にやめればいいのではないかと思います。