小金井書房ブログ

孤独、哀愁、静けさ

俳優はみんな演技が上手いという驚き

 

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役者で演技が下手な人があまりいない

 普段、何気なくテレビや映画などを見ていると、俳優や役者という仕事をしている人たちが演技をしている姿をよく見かけますが、あらためてよく考えてみると、ドラマや映画に出ている人というのは、みんな演技が上手いなと感じます。

 私は昔から映像作品は外国のものも日本のものも結構観ていて、演技をしている人たちをずっと見てきたのですが、役者の演技が下手だと感じたり違和感を覚えるようなことがほとんどないのです(もちろん、時にはありますが)。

 例えば、素人である私が自分の演技している姿をかなりリアルに想像してみると、あんなに上手くはできないと感じます。おそらく、放送事故的な感じになるでしょう。

 先日、洋画が好きで邦画はほぼ観ないという人とたまたま話をする機会があり、その人に「どうして日本のものは観ないのですか」と聞いたところ、「日本人の演技はあまり…」と言っていました。どうやら、日本人の演技はあまり上手くない、と言いたかったようです。

 しかし、洋画も邦画もどちらも観てきた私の印象では、日本人の演技が下手ということはありません。ただ、外国と日本では文化が違うので、求められる演技も自ずと違ったものにはなるでしょう。そこは分けて考える必要があるかと思います。

 役者の演技が下手だとか簡単に言う人は、おそらく演じるということの難しさが実感をもって想像できないのではないでしょうか。

そもそも、カメラが回っていて、大勢のスタッフや人が見ている前で演技をするということが、かなり難しいことだと思います。そんな状況で自然に演技をするということが、どれほど大変なことか。

 また、私はドラマや映画の脚本を見ることがあるのですが、ものすごく面白い作品でも、脚本(台本)にある台詞とト書きの羅列だけを読むと全然面白くありません。

俳優たちは、そのただの文字から、その場面の空気や感情、その場で必要とされる演技を理解し読み取って、それを実際に演じて具現化するという能力が求められます。

それは、かなり高度なことです。

 やはり、ああして表舞台に立っている人たちは、皆、選ばれたプロだから上手いのか。またそれだけでなく、ドラマや映画には演出という仕事の人がいるので、その方達の果たす役割も大きいのでしょう。

 

 ただ、俳優というのは、演技をすることを仕事にしているプロですから、上手いのは当然と言えばそうなのかもしれませんが、驚くのは、本来演じることが本職ではないはずのお笑い芸人やアイドルのような人たちがドラマや映画で演技をしても違和感がなく、むしろ上手いという印象を受けることが多いということです。

 ほんの一例を挙げると、お笑いトリオ「ネプチューン」の原田泰造氏が俳優として演技をしているのを見かけることがありますが、彼の演技には凄みすら感じます。他にもお笑い芸人の人が映像作品で演技しているのを度々見かけますが、皆さん大抵上手い。

お笑いのコントというのも一種のフィクションを演じるものですから、そういう点ではお笑い芸人の人たちには、みんな演技の素養があるのかもしれません。

 また、ジャニーズの人も演技が上手い人が多いという印象を持っています。元SMAPや嵐のメンバーの人たちなどは、相当演技が上手いと感じます。

 

比較して初めてわかる演技の上手さ

 しかし、ドラマや映画に出ている人みんなが演技が上手いと、下手な人がいなくて比較対象がないので、その演技の上手さが一般的には認識されにくい状況になっているのかもしれません。

 そんな中でも稀にですが、演技に違和感がある人を見かけることはあります。そういったものをたまに見かけると、やはり、当たり前のように見ていた他の俳優や役者たちはみんな本当は演技が上手かったのだと実感するわけです。

 その稀な例の一つとして、あるテレビドラマに有名なスポーツ選手が役者として出演した時は、その演技にかなりの違和感というか不自然さを感じました。

もちろん、これはそのスポーツ選手が悪いのではなく、本来、演技のプロではない一般の人が役を演じたらそうなるのが普通なのです。

 また、一昔前の日本のバブル期の頃のドラマなどをたまたま見かけたりすると、全体的に現代よりは若干演技が上手くない気がする、と感じることがあります。

 演技や芝居の世界も、時代とともに良いお手本が次々に登場し、どんどん洗練されて進化しているということかもしれません。

 

 私たちが普段本当に何気なく見ているテレビや映画の中に、実はものすごくプロフェッショナルなものが存在しているということが、私には興味深いですし尊敬の念を抱きます。